長谷部農園を訪問
(取材日:2019年12月12日)
プロフィール
ハウスのイチゴ畑
創意工夫の生産工程
次にうどんこ病対策として、農薬ではなくUVランプを実証実験中です。肥料や水は生育状況により頻度と濃度を自動的にコントロールできる、自動潅水装置を製作しました。
高設栽培(イチゴは地面から浮かせて腰の高さで栽培)により生育管理や収穫時の作業姿勢に無理のないよう工夫されています。
生産工程に対する強い思いから随所に創意工夫がみられ、前職のキャリアが十分に活かされている「イチゴ畑」を実感させられました。
インタビュー
ーー新規就農されたきっかけをお聞かせください。
長谷部光男さん(以下長谷部):藤沢市の援農ボランティアで農家さんの手伝いをしていましたが、農家の皆さんが70歳・80歳でも元気で働いている姿を見て、私も「生涯現役」で何かやってみたいと考えたのがきっかけです。
ーーイチゴの種類と、育て方は種からですか、それとも苗からでしょうか。
長谷部:種類は「紅ほっぺ」と「よつぼし」の2つです。紅ほっぺは昨年の株からランナーで育てました。よつぼしは今年から導入している品種のため苗を購入しました。 イチゴはランナーで増やすのが一般的ですが、種子から育てる全く新しいタイプの「よつぼし」も栽培することにしました。種子から育てることから、親株からの病害虫の伝染が少なく、育苗期間が短く(通常4か月 ⇒ 2か月)作業時間の短縮が期待できます。
ーー出荷先やクライアントは?
長谷部:今シーズンは1月中旬からの出荷を予定しています。
現在はJAわいわい市藤沢店と横浜のフードハウス大野屋菅田店が主ですが、今後 は藤沢市内のコンビニや飲食店に販路を拡大していく予定です。
ーー生産にあたってのこだわりや工夫について教えて下さい。
長谷部:消費者に新鮮・安全・おいしいイチゴを届けるため、手間を惜しまず、日々創意工夫しています。特に温度管理・病害虫対策・肥料と水のコントロールについては最重要の管理ポイントとしています。
ーーイチゴのおいしい見分け方を教えていただけますか。
長谷部:イチゴの表面に光沢があり、ヘタは濃い緑色で反り返っている方がよいです。
大きさは大きい方がよいです。(同じ値段なら数ではなく大きさで選んでください。)小さい10粒を買うなら大きな5粒がおすすめです。水洗い後にへたを取ると水っぽくなってしまうので水洗い後にへたを取って食べてください。
ーーイチゴの生産で嬉しいことや大変なことは何でしょうか。
長谷部:嬉しいことは、消費者の方に「おいしい」と言っていただくことと、自分のシナリオ通りに作物が出来た時です。大変なことは、夏のハウス内の暑さです。最高50℃超になるため熱中症に注意して作業しています。
ーー参加しているイベントや活動はありますか。
長谷部:新規就農者でもあり、湘南山ノ神やさい倶楽部(新規就農者を中心に12人が参加)に所属し、野菜の栽培技術の向上に努めています。
また藤沢市のイベントなどには積極的に参加するよう心掛けています。最近ではレディオ湘南に出演しました。
ーー消費者(市民)に伝えたいことをお願いします。
長谷部:以前会社員の時は、産地や鮮度にあまりにも無関心でした。
市民の皆さんにはせっかく藤沢市という近くに農業と触れる環境にあるので、是非関心を持っていただきたいです。そして直売所、わいわい市や直接畑で気楽に意見や提案をしてほしいと思います。消費者とのコミュニケーションが、生産者にとって「真によろこばれる作物づくり」に繋がると思います。
取材を終えて
長谷部農園