和孝園を訪問
※立毛共進会:市内の栽培技術・品質向上を目的とした花の品評会。
(取材日:2019年11月2日)
プロフィール
藤沢の農業に対する強い思いからイベントにも積極的に参加。今年は江の島弁天橋の花壇にビオラを植栽、市主催の花育教室(寄せ植え講習)の講師、昨年度は市の広報番組に出演されました。
⇒ 江の島弁天橋の花壇の記事はこちら!
スポーツが大好きで、趣味はサーフィン・キックボクシング。仕事のリフレッシュを兼ねて寸暇を惜しんで続けています。チャレンジ精神旺盛で、経営基盤安定のため花以外の分野(イチゴ・サツマイモなど)にも挑戦されるそうです。乞うご期待!
お花畑と富士山
でも、このお花畑の中にいるだけで想像に十分な圧巻の風景でした。
主役のパンジーとビオラは今まさに最盛期を迎えています。紫、青、白、橙など色鮮やかな花壇苗、鉢物は実に見事でした。
そのスケールもさることながら、手塩にかけて育てられた「高品質のお花畑」を実感しました。おすすめは中・小輪のパンジー三色植えと、小さな花輪の特徴を活かしたビオラの鉢植えです。
現在ご両親と3人で延べ約2,000坪という広大な畑に栽培されています。おのおの得意技を活かして、花壇を和田さん本人が、鉢物をご両親が担当しているそうです。
パンジーとビオラ
簡単なパンジーとビオラの見分け方について聞いてみました。花の大きさ・直径で見分ける方法が一般的だそうです。パンジーは大きめで小輪は4~5㎝、大輪になると7~10㎝(それ以上の花もありますが)。ビオラは小さく2~4㎝ 程度だそうです。
藤沢ではパンジーの生産量は県内でも有数の産地となっているそうで、打戻をはじめ用田、石川、亀井野、立石などの農家が栽培しています。
直売所やわいわい市での販売、市場への出荷が、11月から翌年1月中旬頃まで続くとのことです。
パンジーの三色植え
ビオラの鉢植え
インタビュー
ーー育てている花の種類と規模を教えてください。
和田浩志さん(以下和田):花の種類は全部で約30品目でシクラメン・カーネーション・ハイビスカスなど。パンジー・ビオラは色で分類しますと約70色。耕作面積は露地と施設を合わせて延べ約2,000坪です。
ーー種から育てるのですか。それとも苗からですか。
和田:両方あります。パンジー・ビオラに関してはここ数年プラグ苗を購入。理由は多品種対応・夏場の作業省略と本数確保のためです。
ーー出荷先やクライアントは?
和田:JAのわいわい市、直売、市場、川崎北部、南関東など。現在の課題は、経営安定のための販路の拡大に苦労しています。
ーー生産にあたってのこだわりや工夫について教えてください。
和田:第一は高品質の維持と向上。そのために水と肥料管理を徹底すること。
あわせて、こまめに花つみをやることが大切です。次に、売れるものづくり、品種・色のとりいれ、それからニーズにマッチした3色植えや大鉢づくりなど創意工夫が大切です。
ーーお庭や鉢での花の上手な育て方について教えてください。
和田:特にパンジー・ビオラの手入れ方法についてですが、基本となるところは場所、水やり、肥料の3点に気を付けてください。
場所は日当たりの良いところ、できれば風通しがほど良いところ。
水やりは土の表面が乾いてきたらあげてください。良い天気が続いたらたっぷり、雨や曇りのときはひかえること。
肥料は植え付け時には、マグァンプなど混ぜるとよいです。開花が盛んな時期は、7~10日に1回1,000倍の液肥をあげてください。即効性よりもゆっくり効く緩効性の肥料がおすすめです。
ーーお花の生産で嬉しいことや大変なことは何でしょうか。
和田:嬉しいことは、自分の思い通りに生育してくれること、これにつきます。
大変なことは自然災害とのたたかいで、今年の9月の台風15号ではパンジーとビオラが大きな被害を受けましたが、台風は毎年最大の心配事です。
ーー消費者(市民)に伝えたいことをお願いします。
和田:皆さんに是非お花と触れ合ってほしいと思います。お花の効用はたくさんありますが、特に老年期は寄せ植えや花壇のお世話をすることで責任感・緊張感・達成感により脳の活性化にも効果があるといわれています。
そのために小さい子供のころから、幼稚園・小学校対象の花育教室などを通じて是非お花と触れ合ってほしいと思います。
取材を終えて
和孝園(わこうえん)