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和田園芸を訪問

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和田園芸を訪問

御所見地区でトマトやキュウリの生産に取り組む和田 浩明(わだ ひろあき)さんを訪問しました。高い品質のトマトやキュウリを育てるためのさまざまな工夫など、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。
(取材日:2020年3月16日)

 

プロフィール

和田さんは1970年生まれの50歳。県立農業大学校(現在のかながわ農業アカデミー)を1990年に卒業され、現在、就農30年目です。父親の代に始めたハウス栽培を受け継ぎ、現在はJAさがみ御所見ハウス部出荷組合でトマトやキュウリの共同販売に取り組まれており、藤沢産のおいしい野菜作りに尽力されています。
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トマトとキュウリのハウス栽培

和田さんのハウスは慶応大学藤沢キャンパスの西側、宇都母知(うつもち)神社に程近い、多くのハウスが建ち並ぶエリアの一角にあります。ハウスの中にはトマトやキュウリが整然と並んでいて、すでに収穫の時期を迎えており、この日も午後からトマトの収穫があるとのお話でした。トマトは写真のように上に伸びていく茎に沿って、下から順番に花を付け、実を成らせ、赤く熟していきます。茎の先端は生長して伸びていきますが、やがて、手が届かなくなってしまいます。そこで、茎を折り返して、今度は下へ向かって伸ばしていきます。この様なやり方はUターン栽培と呼ばれています。
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キュウリは等間隔に支柱を立て、間に張ったひもにツルをテープで止めていきます。葉と葉が重ならないよう、上手くツルを止めていきますが、こうすると、光も良くあたり、湿気がこもらず、病気にも掛かり難くなります。また、目の高さに生長したツルの先端は摘み取り、葉の付け根から出るワキ芽を伸ばして、適当な長さで順番に先端を止めていきます。この様なやり方は整枝栽培と呼ばれています。手間は掛かりますが、生長にあわせて管理の加減ができ、安定して形の良いキュウリができるとのことでした。また、伸びているツルの先端を残して、根の生長が止まらないようにするため、わざと長く伸ばすツルもあるとのこと。このようなツルは力(ちから)ヅルと呼ばれています。
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キュウリのツルの先端を止める洗濯ばさみのような器具

 

インタビュー

--育てているトマトとキュウリの種類を教えてください。

和田 浩明さん(以下和田 ):現在、作っている品種はトマトが「麗容(れいよう)」、キュウリが「マジカル1号」です。生産のしやすさ、傷みにくさ、収穫の量などを考慮して選んでいます。

 

--出荷先やクライアントは?

和田:湘南藤沢地方卸売市場を通じて県内の量販店で販売されています。トマトは市場に出荷できないものは「しんわルネッサンス」の製造・販売するトマトジュースにしています。

 

--生産にあたってのこだわりや工夫にはどのようなことがありますか。

和田:毎年の天候の違いにより、トマト、キュウリの生育は違います。生育にあわせて水やりや整枝の仕方を変えています。また、土づくりにも力を入れ、肥料のやり過ぎにも注意をしています。

 

--おいしいトマト・キュウリの見分け方を教えてください。

和田:トマトは上から見て偏りが無く、丸く均一に育っているもの、キュウリはツヤがあってトゲがしっかりしているものがおすすめです。

 

--トマト・キュウリのおいしい食べ方を教えてください。

和田:果菜類は生で食べられるのが特徴なので、両方とも丸かじりして、そのものの味を味わってもらいたいです。キュウリは刻んでポン酢などに軽く漬けるのもおいしいです。

 

--嬉しかったことや大変だったことは何でしょうか。

和田:ほとんど大変なことばかりです。特に最近は温暖化の影響なのか、毎年作りづらくなっています。この冬は日照不足でトマトの花が少なくなりました。トマトはバランスの作物なので、少ない果実は、形が悪くても残しておかなければなりません。その分、秀品率は落ちてしまいます。なかなか思い通りになりませんが、その分作物が答えてくれると、苦労した甲斐があったかなと思います。

 

--参加しているイベントや活動はありますか。

和田:各種立毛共進会や持寄品評会、地元JAのふれあいまつりでの野菜の販売、宇都母知神社の収穫祭や小出川の彼岸花などの地元のイベントでのキュウリの販売などです。

 

--消費者(市民)に伝えたいことをお願いします。

和田:なかなかどこで売っているとは言えないのですが、確実に、藤沢で生産されている野菜は新鮮でおいしいです。

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取材を終えて

暖かなハウスの中に美しく並んでいるトマトや大きく育ったキュウリを見ていると、和田さんが丹精込めて作られた宝物のように思えてきました。これらの藤沢産の野菜は市内のお店で売られているとのこと。ぜひ皆さんも新鮮でおいしい藤沢産の野菜をご賞味ください。

 

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